小伊勢劇場の第二幕、握りの幕が静かに上がりました。
マグロの漬けで握りのスタート。
シャリと合わせることでその旨味が最大限発揮される中トロ、これは珍しい漬けで。
漬けの三連発最後は桜鱒、脂が軽やかになり醤油のほのかな風味が味を押し上げています。
生臭さは一切なく中トロに負けない上品な脂乗りのしめ鯖。
寿司によく合うお酒を北海道のすし職人の方々が監修した「【すし専用】特別純米つまみつつ」、確かに握りの邪魔をせずでも喉ごし良く米の旨味がじんわり広がります。
短冊に包丁が入り甘みが前面に出ているイカ。
プリッとした身にシャープな甘みのボタン🦐。
北海の幸の夢のコラボ、ウニとイクラの小丼。
50匹分のエビの頭から取った味噌汁は香りが鮮烈、濃厚ですがくどくなく清々しい後味。
細かく刻んだ北寄貝は磯の香りが波のように襲ってきます。
手渡しで頂いたのがホタテの磯辺焼き、海苔の香りにホタテの甘みが鼻腔をくすぐります。
魚が旨けりゃ酒も進むと言うことでシメの一杯はまたまた「二世古 特別純米酒 辛口 吟風」、しっかり目の酸味と甘みがふくらんだ後に辛口感が顔を出します。
ミソをからめたカニはただただ至福の味🤩
ふんわり煮上がった穴子は口の中に入れるとサラッと溶けていきます。
大将が「シーズン初めで甘みは控えめです」と言ったウニ、それでも独特の香りは産地ならではの物。
タラコと漬物の軍艦に自家製玉で大興奮の小伊勢劇場は終幕。
大将の信念である「温故知新」が感じ取れる料理や握りの数々、昔からの仕事を守りながらも新しい味の可能性を追求する大将に敬意しかありません。
外見は頑固そうに見えますが適度な距離感と軽妙なトークを交えてお客をもてなす、仕事を頑張ってまた伊勢鮨に食べに来たいと強く思った最高の晩餐でした🍣